防災情報:加圧防煙システム

平成21年に建築基準法と消防法の改正があり「加圧防煙システム」が新たに加わりました。加圧防煙システムの歴史は古く30年ほど前から超高層ビルなどに多く採用されています。法改正前は建物ごとに大臣認定(旧法第38条認定、避難安全検証、消防活動支援性能検証)を受けていました。

平成21年に施行した新たな規定は以下の通りです。
・建築基準法:H.21国土交通省告示1007号、1008号
・消防法:H.21総務令88、規則30条、告示16号

 

加圧防煙システムを選択するケースは主に以下の2通りとなります。

1. 高層建物の特別避難階段付室または非EV乗降ロビーに自主的に設置する。
(消防機関等から設置を指導される場合もあります)
2. 店舗、駐車場など消防法の排煙設備設置義務のある部分の防煙区画面積拡大や機械排煙能力低減などの性能設計を適用する場合。

 

上記2.について。

消防法改正で「排煙設備に代えて用いることができる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等」が新たに規定され、これにより消防法に規定される排煙設備の性能設計(ルートBまたはルートC)が可能になりました。建築基準法の性能設計は「階避難安全検証法」によります。
消防法の排煙設備の性能設計について簡単に述べます。
地階または無窓階の床面積1,000m2以上の百貨店等に設置する排煙設備について、防煙区画面積拡大(区画面積500m2超)、機械排煙能力低減(床面積1.0m2当たり1.0m3/min以下)などの考えを設計に取入れようとします。
この場合、建築基準法の性能設計と消防法の性能設計の両方に関わることになります。

 

その時の計画内容は以下(a~f)のようになります。

  • (a) 防火区画、防煙区画の面積は3,000m2以下とする。

  • (b) 機械排煙能力は規定の1/3程度にする。

  • (c) 階ごとに、その対象部分を半径50mの円で包含する位置に消火活動拠点を設ける。

  • (d) 消火活動拠点は非EV乗降ロビー、特別避難階段付室または階段室前室などとし、消防隊のアクセスが容易な場所とする。

  • (e) 消火活動拠点の構造は以下のようにする。
    ・ 床面積は10m2以上とする
    ・ 耐火構造の壁、床およびロックウール充填の特定防火設備により防火区画する。

  • (f) 消火活動拠点に設置する主な設備は以下とする。
    ・ 加圧防煙システム
    ・ 連結送水管放水口
    ・ 非常用コンセント設備
    ・ 防災センタ-との通話装置

※ 加圧防排煙システムを設けた非EV乗降ロビ-は「加圧式消火活動拠点」といいます。

「加圧防煙システム」概念図